ホームページの更新、止まっていませんか?

「更新しなければ」と思いながら、何週間も放置している。そんな経験はありませんか?

私自身、長年WordPressでホームページを運営してきましたが、正直なところ、更新のたびにストレスを感じていました。プラグインのアップデートが頻繁に来て、対応しないとセキュリティが心配になる。投稿画面でデザインを細かく調整しようとすると、思い通りにならない。「このブロックをもう少し左に寄せたい」「この文字だけ色を変えたい」、そのたびにHTML編集が必要で、気力を消耗する。

気づけば「また今度でいいか」が積み重なり、ホームページは古い情報のまま止まっていました。情報発信が命綱である小規模事業者にとって、これは致命的な機会損失です。

そこで私は、Claude CoworkとClaude Code(Anthropicが提供するAIツール)を活用して、ホームページの制作・運用を丸ごと見直しました。本記事では、その実体験をもとに、AI活用でホームページ運営がどう変わるかをお伝えします。

ステップ1:まず「ブランドの言語化」から始めた

AIとの対話でブランドガイドラインを作成

ホームページを作り直す前に、私はまずブランドそのものを見直すことにしました。「自社らしさって何だろう」「どんな印象を与えたいか」――経営者なら一度は考えたことがあるはずです。でも、それを文書として整理している会社は、意外なほど少ない。

私はClaude Cowork(Claudeのデスクトップ向け作業支援ツール)と対話しながら、ブランドを作るプロセスを段階的に整理しました。

まず取り組んだのは、ブランドの根っこにある「考えるべきこと」の言語化です。

この問いに答えていくと、自然と次の3つの成果物が形になってきます。

この土台が固まってはじめて、言葉のレベルでの表現に進みます。

そして最後に、ビジュアルの設計へと移ります。カラーパレット・フォント・トーン&マナーといった視覚的な表現は、言葉の世界観を視覚に落とし込む作業です。「何者か」が決まっていれば、デザインの判断に迷うことが格段に減ります。

「誠実さと専門性を感じさせつつ、難しすぎない温かみのある印象」「ターゲットはITが苦手な経営者だから、フォントは読みやすさ重視」――そういった曖昧な感覚も、会話の中で言語化・整理してもらうことができます。

ブランドガイドラインがホームページ制作の「土台」になる

この内容をブランドガイドラインとして一つの文書にまとめ、以降のホームページ制作時の「コンテキスト(背景情報)」として活用しました。これにより、AIへの指示がシンプルになります。「ブランドガイドラインに沿って、このページを修正して」と伝えるだけで、カラーもトーンもぶれません。指示のたびにゼロから説明する手間がなくなりました。

ステップ2:Claude Code + GitHub連携でホームページを構築

会話で指示して、そのままWeb公開できる

ブランドの定義が整ったところで、いよいよホームページの制作・移行に着手しました。使ったのはClaude Code(AIがコードを書いてくれるコマンドラインツール)です。コンサルタントである私が、プログラミングの専門知識なしに、AIと会話しながらサイトを完成させることができました。

「このページのキャッチコピーを変えたい」「お問い合わせボタンをもっと目立たせて」そう伝えるだけで、AIが修正し、確認してOKを出せば公開まで完了します。WordPressのように管理画面を開いて、ブロックを探して、プレビューして…という手順が不要です。

さらに、Dispatch(Claudeのスマートフォンアプリ)を使えば、移動中でも指示を出せます。電車の中で「今週のブログ、こんな内容で書いて」と送っておけば、帰宅するころには下書きが完成している。忙しい経営者にとって、これは大きな変化です。

デザインの細かい要望を、遠慮なく言える

「このセクションの背景、もう少し明るいグレーにしたい」「スマホで見たとき、このボタンが少し下にずれている気がする」

以前は、制作会社に頼むと修正のたびに費用や気を遣うことがありました。でも、AIには遠慮がいりません。「やっぱり元に戻して」「もう少し大きく」「もっとシンプルに」――何度でも、思ったままを伝えられます。我慢しなくていい。これが、想像以上に気持ちの良いことでした。

GitHub連携で「FTP不要・自動更新・修正履歴の管理」を実現

少し技術的な話になりますが、現在のホームページはGitHub(ファイルの変更履歴を管理するサービス)とWebサーバーを連携させています。この仕組みにより、3つのことが実現しました。

① FTP作業が不要になった
以前のWordPressでは「FTPソフトを使ってサーバーにファイルをアップロードする」という専門的な作業が必要な場面がありました。この仕組みでは、AIが修正したファイルをGitHubに送る(コミットする)だけで、自動的にホームページへ反映されます。

② 修正履歴がすべて記録される
GitHubにはすべての変更履歴が残ります。「あの変更、やっぱり元に戻したい」と思ったとき、Claudeに「一つ前の状態に戻して」と伝えるだけで対応できます。

③ 失敗を恐れずに更新できる
「修正したら取り返しがつかなくなりそう」という不安を持つ方は多いです。でも、いつでも戻せる安心感があることで、ホームページの更新が怖くなくなります。これは想像以上に大きな変化でした。

補足:GitHub・自動デプロイ・FTP不要の仕組みは、最初にClaudeと一緒に設定するもので、一度整えれば以降は意識する必要がありません。「こういった仕組みがある」ということだけ覚えておいてもらえれば十分です。

ステップ3:既存80記事をAIで一括リニューアル(SEO・AIO対応)

これは、私が一番驚いた体験です。過去に書いたブログ記事が80本以上ありましたが、そのほとんどがテキストだけで、図表も装飾もない読みにくい状態でした。「いつか整理したい」と思いながら、手をつけられずにいたものです。

Claude Codeを使い、これを一括でリニューアルしました。具体的には次の対応を行いました。

80本を手作業でやれば、何十時間もかかります。それがAIの活用でまとめて処理できました。人間がやる必要のない単純作業をAIに任せる――これがAI活用の本質だと、改めて実感しました。

事業構想・ブランド・Web公開まで「一気通貫」で進められる時代

今回の取り組みを振り返ると、次の流れを一気通貫で進めることができました。

フェーズ内容使ったツール
事業構想の言語化強み・提供価値・ターゲットの整理Claude Cowork
ブランドの定義カラー・フォント・トーンのガイドライン作成Claude Cowork
ホームページ制作ガイドラインをもとにサイト構築Claude Code
自動更新の仕組み構築GitHub連携・自動デプロイ設定Claude Code
既存コンテンツ最適化80記事の一括リニューアル・SEO/AIO対応Claude Code
継続的な更新スマホからの指示で随時更新Dispatch

これまでは「事業構想は経営コンサルタントに、ブランドはデザイナーに、ホームページは制作会社に」とそれぞれ別の専門家に依頼するのが一般的でした。しかし今は、AIを上手に活用することで、この流れをひとつなぎで進めることができます。

よくある質問(FAQ)

Q. プログラミングの知識がなくても使えますか?

使えます。私自身、コンサルタントとしてプログラミングの専門知識はありませんが、AIとの会話だけでホームページを制作・運用しています。最初の仕組み作りだけ、専門家に伴走してもらうと安心です。

Q. WordPressからの移行は難しいですか?

既存のコンテンツ(記事・画像など)の移行はAIに指示しながら進めることができます。一度に全部やる必要はなく、段階的に移行することも可能です。

Q. Claude CoworkとClaude Codeの違いは何ですか?

Claude Coworkはデスクトップアプリで、対話・資料作成・ブランド設計などの企画・整理業務に向いています。Claude Codeはコードや技術的な作業(サイト構築・ファイル操作など)に特化したツールです。両方を組み合わせることで、企画から公開まで一気通貫で進められます。

Q. セキュリティは大丈夫ですか?

WordPressのようにプラグインの脆弱性を気にする必要がなく、シンプルな構成でセキュリティリスクを下げることができます。GitHubによる変更管理も、セキュリティ面で有利に働きます。

まとめ:ホームページを「育てる」時代へ

WordPressを使っていたころ、私にとってホームページの更新は「やらなければならない面倒な作業」でした。でも今は、移動中にスマホから思いついたことを伝えるだけで、ホームページが更新されていく。ブランドのガイドラインがあるから、デザインはいつも一貫している。修正履歴が残るから、失敗しても怖くない。

ホームページは「作るもの」ではなく、「育てるもの」になりました。事業構想の言語化から、ブランド作り、Web公開、そして継続的な情報発信まで。AIを活用すれば、小規模事業者でも本格的な発信基盤を持つことができます。