ホームページの更新、止まっていませんか?
「更新しなければ」と思いながら、何週間も放置している。そんな経験はありませんか?
私自身、長年WordPressでホームページを運営してきましたが、正直なところ、更新のたびにストレスを感じていました。プラグインのアップデートが頻繁に来て、対応しないとセキュリティが心配になる。投稿画面でデザインを細かく調整しようとすると、思い通りにならない。「このブロックをもう少し左に寄せたい」「この文字だけ色を変えたい」、そのたびにHTML編集が必要で、気力を消耗する。
気づけば「また今度でいいか」が積み重なり、ホームページは古い情報のまま止まっていました。情報発信が命綱である小規模事業者にとって、これは致命的な機会損失です。
そこで私は、Claude CoworkとClaude Code(Anthropicが提供するAIツール)を活用して、ホームページの制作・運用を丸ごと見直しました。本記事では、その実体験をもとに、AI活用でホームページ運営がどう変わるかをお伝えします。
ステップ1:まず「ブランドの言語化」から始めた
AIとの対話でブランドガイドラインを作成
ホームページを作り直す前に、私はまずブランドそのものを見直すことにしました。「自社らしさって何だろう」「どんな印象を与えたいか」――経営者なら一度は考えたことがあるはずです。でも、それを文書として整理している会社は、意外なほど少ない。
私はClaude Cowork(Claudeのデスクトップ向け作業支援ツール)と対話しながら、ブランドを作るプロセスを段階的に整理しました。
まず取り組んだのは、ブランドの根っこにある「考えるべきこと」の言語化です。
- 目的(Why):なぜこの事業をやるのか、何のために存在するのか
- 提供価値(Value Proposition):顧客にとって本当に意味のある価値は何か
- ターゲット:誰に届けたいのか、理想の顧客像はどんな人か
- 競争優位:他と何が違うのか、代替できない強みは何か
- ポジショニング:どの市場のどこに立つのか
この問いに答えていくと、自然と次の3つの成果物が形になってきます。
- ブランドコンセプト:何を提供するか、一言で言えばどんな存在か
- ブランドストーリー:なぜそれをやるのか、どんな思いで始めたのか
- コアメッセージ:ブランドの価値を一瞬で伝える「核となる一文」
この土台が固まってはじめて、言葉のレベルでの表現に進みます。
- キャッチコピー:お客様の心に刺さる、短くて力のある言葉
- タグライン:ブランドを常に一言で説明するサブタイトル
- サービス説明文:何ができるのかを、相手の言葉で伝える文章
- LP構成・営業トーク:問い合わせ・成約につながる流れの設計
そして最後に、ビジュアルの設計へと移ります。カラーパレット・フォント・トーン&マナーといった視覚的な表現は、言葉の世界観を視覚に落とし込む作業です。「何者か」が決まっていれば、デザインの判断に迷うことが格段に減ります。
「誠実さと専門性を感じさせつつ、難しすぎない温かみのある印象」「ターゲットはITが苦手な経営者だから、フォントは読みやすさ重視」――そういった曖昧な感覚も、会話の中で言語化・整理してもらうことができます。
ブランドガイドラインがホームページ制作の「土台」になる
この内容をブランドガイドラインとして一つの文書にまとめ、以降のホームページ制作時の「コンテキスト(背景情報)」として活用しました。これにより、AIへの指示がシンプルになります。「ブランドガイドラインに沿って、このページを修正して」と伝えるだけで、カラーもトーンもぶれません。指示のたびにゼロから説明する手間がなくなりました。
ステップ2:Claude Code + GitHub連携でホームページを構築
会話で指示して、そのままWeb公開できる
ブランドの定義が整ったところで、いよいよホームページの制作・移行に着手しました。使ったのはClaude Code(AIがコードを書いてくれるコマンドラインツール)です。コンサルタントである私が、プログラミングの専門知識なしに、AIと会話しながらサイトを完成させることができました。
「このページのキャッチコピーを変えたい」「お問い合わせボタンをもっと目立たせて」そう伝えるだけで、AIが修正し、確認してOKを出せば公開まで完了します。WordPressのように管理画面を開いて、ブロックを探して、プレビューして…という手順が不要です。
さらに、Dispatch(Claudeのスマートフォンアプリ)を使えば、移動中でも指示を出せます。電車の中で「今週のブログ、こんな内容で書いて」と送っておけば、帰宅するころには下書きが完成している。忙しい経営者にとって、これは大きな変化です。
デザインの細かい要望を、遠慮なく言える
「このセクションの背景、もう少し明るいグレーにしたい」「スマホで見たとき、このボタンが少し下にずれている気がする」
以前は、制作会社に頼むと修正のたびに費用や気を遣うことがありました。でも、AIには遠慮がいりません。「やっぱり元に戻して」「もう少し大きく」「もっとシンプルに」――何度でも、思ったままを伝えられます。我慢しなくていい。これが、想像以上に気持ちの良いことでした。
GitHub連携で「FTP不要・自動更新・修正履歴の管理」を実現
少し技術的な話になりますが、現在のホームページはGitHub(ファイルの変更履歴を管理するサービス)とWebサーバーを連携させています。この仕組みにより、3つのことが実現しました。
① FTP作業が不要になった
以前のWordPressでは「FTPソフトを使ってサーバーにファイルをアップロードする」という専門的な作業が必要な場面がありました。この仕組みでは、AIが修正したファイルをGitHubに送る(コミットする)だけで、自動的にホームページへ反映されます。
② 修正履歴がすべて記録される
GitHubにはすべての変更履歴が残ります。「あの変更、やっぱり元に戻したい」と思ったとき、Claudeに「一つ前の状態に戻して」と伝えるだけで対応できます。
③ 失敗を恐れずに更新できる
「修正したら取り返しがつかなくなりそう」という不安を持つ方は多いです。でも、いつでも戻せる安心感があることで、ホームページの更新が怖くなくなります。これは想像以上に大きな変化でした。
補足:GitHub・自動デプロイ・FTP不要の仕組みは、最初にClaudeと一緒に設定するもので、一度整えれば以降は意識する必要がありません。「こういった仕組みがある」ということだけ覚えておいてもらえれば十分です。
ステップ3:既存80記事をAIで一括リニューアル(SEO・AIO対応)
これは、私が一番驚いた体験です。過去に書いたブログ記事が80本以上ありましたが、そのほとんどがテキストだけで、図表も装飾もない読みにくい状態でした。「いつか整理したい」と思いながら、手をつけられずにいたものです。
Claude Codeを使い、これを一括でリニューアルしました。具体的には次の対応を行いました。
- 構造の整理:見出し(H2・H3)・段落の整備で読みやすさを向上
- 視覚的な装飾:強調表示・引用ブロックの追加
- SEO対策:検索エンジンに評価されやすいタグ・メタ情報・キーワード配置の最適化
- AIO対策:GoogleのAI概要(AIによる検索結果の要約表示)に拾われやすい、明確な構造と簡潔な回答形式への調整
80本を手作業でやれば、何十時間もかかります。それがAIの活用でまとめて処理できました。人間がやる必要のない単純作業をAIに任せる――これがAI活用の本質だと、改めて実感しました。
事業構想・ブランド・Web公開まで「一気通貫」で進められる時代
今回の取り組みを振り返ると、次の流れを一気通貫で進めることができました。
| フェーズ | 内容 | 使ったツール |
|---|---|---|
| 事業構想の言語化 | 強み・提供価値・ターゲットの整理 | Claude Cowork |
| ブランドの定義 | カラー・フォント・トーンのガイドライン作成 | Claude Cowork |
| ホームページ制作 | ガイドラインをもとにサイト構築 | Claude Code |
| 自動更新の仕組み構築 | GitHub連携・自動デプロイ設定 | Claude Code |
| 既存コンテンツ最適化 | 80記事の一括リニューアル・SEO/AIO対応 | Claude Code |
| 継続的な更新 | スマホからの指示で随時更新 | Dispatch |
これまでは「事業構想は経営コンサルタントに、ブランドはデザイナーに、ホームページは制作会社に」とそれぞれ別の専門家に依頼するのが一般的でした。しかし今は、AIを上手に活用することで、この流れをひとつなぎで進めることができます。
よくある質問(FAQ)
Q. プログラミングの知識がなくても使えますか?
使えます。私自身、コンサルタントとしてプログラミングの専門知識はありませんが、AIとの会話だけでホームページを制作・運用しています。最初の仕組み作りだけ、専門家に伴走してもらうと安心です。
Q. WordPressからの移行は難しいですか?
既存のコンテンツ(記事・画像など)の移行はAIに指示しながら進めることができます。一度に全部やる必要はなく、段階的に移行することも可能です。
Q. Claude CoworkとClaude Codeの違いは何ですか?
Claude Coworkはデスクトップアプリで、対話・資料作成・ブランド設計などの企画・整理業務に向いています。Claude Codeはコードや技術的な作業(サイト構築・ファイル操作など)に特化したツールです。両方を組み合わせることで、企画から公開まで一気通貫で進められます。
Q. セキュリティは大丈夫ですか?
WordPressのようにプラグインの脆弱性を気にする必要がなく、シンプルな構成でセキュリティリスクを下げることができます。GitHubによる変更管理も、セキュリティ面で有利に働きます。
まとめ:ホームページを「育てる」時代へ
WordPressを使っていたころ、私にとってホームページの更新は「やらなければならない面倒な作業」でした。でも今は、移動中にスマホから思いついたことを伝えるだけで、ホームページが更新されていく。ブランドのガイドラインがあるから、デザインはいつも一貫している。修正履歴が残るから、失敗しても怖くない。
ホームページは「作るもの」ではなく、「育てるもの」になりました。事業構想の言語化から、ブランド作り、Web公開、そして継続的な情報発信まで。AIを活用すれば、小規模事業者でも本格的な発信基盤を持つことができます。