「ものは良いのに伝わらない」の正体は、商品の問題ではなく言葉の設計不足です。Claudeで価値を棚卸しし、お客様の声からブランドメッセージを整える3ステップを中小企業診断士が解説します。
皆さんこんにちは!AIコンサルタント(中小企業診断士)の津田です。
「ものは良い。でも、その良さが伝わらない。」
この言葉を、支援の現場で何度聞いたか分かりません。品質には自信がある。お客様から「良かった」と言ってもらえる。それでも、初めて来た人には響かない。Webサイトを見ても「どこにでもある会社」に見える。
支援現場からの実例:ある食品製造業の会社が、ダイレクト販売に乗り出したときのことです。長年、代理店が商品を売ってきたため、自社の言葉で商品の魅力を伝えた経験がほぼありませんでした。良い商品なのに、説明文は「素材にこだわった」「丁寧に仕上げた」という言葉が並ぶだけで、お客様の心には刺さっていなかった。私が支援する方では、お客様の声をもとにペルソナを設定し、その人に届くコピーをClaudeで生成することから始めました。言葉が変わった途端に、反応が変わりました。
「伝わらない」の正体は、言葉の設計不足
良さが伝わらない原因は、商品ではなく「言葉」にあることがほとんどです。作る側から見た「こだわり」と、買う側が聞きたい「自分への得」は、同じようで違います。
支援の現場でわかったことがあります。「うちの強みは何ですか」と聞くと、多くの経営者が「品質」「対応の速さ」と答えます。しかしそれはほぼすべての同業者が言っていること。お客様にとっての「なぜこの会社でないといけないか」が言語化されていないと、どれだけ良い商品も"候補の一つ"に埋もれます。中小企業の経営課題調査でも、マーケティング力不足の主因として「自社の強みを言語化できず、価格競争に巻き込まれる」ことが挙げられています。
放置するとどうなるか
良さが伝わらないまま時間が経つと、最終的には「値段でしか判断されない」状態になります。発信の努力を止めれば、そもそも候補に入らなくなる。良い商品を持ちながら、価格勝負に疲弊し続ける——この悪循環から抜け出すために必要なのは、商品を変えることではなく、言葉と見せ方を設計し直すことです。
AIの打ち手:価値・声・実績を"伝わる言葉"に整える3ステップ
使うツールはClaude(言語化・発信の一貫化)です。
STEP 1 価値の棚卸し
「自社が提供していること」「お客様(ペルソナを具体的に記述)が喜んでいる点」「競合と比べて違う点」を箇条書きでClaudeに渡す。「これをお客様目線の言葉に書き直して」と依頼するだけで、"こだわり語"が"得の言葉"に変換されます。
STEP 2 お客様の声から実績を整理
レビューや感謝メール・商談メモをClaudeに読み込ませ、「どんな課題が解決されているか、どんな言葉で喜ばれているか」を抽出します。これがそのままブランドメッセージの素材になります。
STEP 3 発信を一本化
整理した言葉をClaudeに渡し、「Webサイト用・SNS用・提案書用にそれぞれ書き直して」と依頼する。媒体が変わっても、メッセージの軸がブレなくなります。
ブランドとは、「信頼の蓄積を意図して設計すること」です。一度整えた言葉は、Webに・提案書に・SNSに一貫して使えます。
小さな一歩
今日できることは一つ。「自社の強みを3つ」Claudeに入力し、「これをお客様目線で書き直して」と送ってみてください。それだけで、"伝える言葉"の候補が手元に生まれます。
良い商品は、すでにあります。あとは言葉と見せ方を整えるだけです。
自社の"伝わる言葉"と信頼の見せ方、一緒に整えませんか。
+α:もっと効率化したい方へ ― Claudeで自動化する
今回紹介した3ステップは、Claudeのチャット画面でプロンプトを入力する「手動」の方法です。同じ作業をClaude CoworkやClaudeCodeを使って自動化することもできます。
まずはチャットで試し、慣れたら自動化へ移行するのが現実的なルートです。
よくある質問
Q. 「強みを3つ書いて」と言われると思い浮かびません。どうすればいいですか?
まず「お客様からよく感謝されること」「他社にはないと言われたこと」「自社が手を抜いたことがないこと」を1つずつ思い浮かべてみてください。この3つが強みの候補になります。それをClaudeに「これをお客様目線の言葉にして」と渡すだけで、自分では気づかなかった表現が出てきます。完璧に言語化しなくても、箇条書きで渡せばAIが整理してくれます。
Q. AIが生成した言葉をそのまま使っても大丈夫ですか?
そのまま使うのではなく、「素材」として使うことをおすすめします。AIの出力を読んで「これは確かに自社らしい」「この表現は少し違う」と判断しながら、自分の言葉で微調整する。この編集作業が、ブランドメッセージを借り物ではなく「自社のもの」にする重要なステップです。
Q. 最初に何から始めればいいですか?
まずこの記事の「小さな一歩」から始めてください。自社の強みを3つ箇条書きして、Claudeに「お客様目線で書き直して」と送ってみる。それだけで「伝える言葉」の候補が手元に生まれます。次に、第11回でご紹介したペルソナ作成(声から逆算する)と組み合わせると、「誰に・何を・どう伝えるか」が一本化されます。迷ったらお気軽にご相談ください。