Claude CoworkとCodeを組み合わせると、経営戦略の立案からホームページの改善まで、驚くほど多くの業務を効率化できます。この記事では、実際に私が使っている実践ユースケース4つと、Claude を「自分専用の秘書」にするための重要な設定をIT苦手な方でも分かるようにお伝えします。
皆さんこんにちは!事業構想×生成AI活用アドバイザー(中小企業診断士)の津田です。
「AIを使ってみたいけれど、何から始めればいいか分からない」——そんな経営者の方から、よくこういった声を聞きます。Claudeには「Cowork」と「Code」という2つのツールがあります。この2つを使いこなすことで、経営戦略の立案からホームページの改善まで、驚くほど多くの業務を自動化・効率化できます。今回は、私が実際に使っているユースケース4つを具体的に解説します。
まず知っておきたい:CoworkとCodeの役割分担
Claude には用途が異なる2つのツールがあります。まず、この違いを押さえておきましょう。
Claude Cowork(コーワーク)は、デスクトップアプリとして動く非エンジニア向けのツールです。資料作成・分析・戦略相談・文書の清書など、「考えること・まとめること」が中心です。ITの知識がなくても使えます。
Claude Code(コード)は、エンジニアがコードを書いたりシステムを操作するためのツールです。ホームページの自動更新・サーバーログの分析・SEO対策の実装など、「実際に動かすこと・変更すること」が中心です。
経営者にとっての最初の入口は Cowork です。
慣れてきたら、技術的な作業はCodeまたはCodeを扱えるエンジニアと組んで分担するのが最も効果的です。
| 項目 | Claude Cowork | Claude Code |
|---|---|---|
| 対象 | 経営者・非エンジニア | エンジニア・開発者 |
| 使い方 | デスクトップアプリ | コマンドライン |
| 得意なこと | 戦略・文書・分析・相談 | コード・HP更新・ログ分析 |
| ITスキル | 不要 | 必要 |
「自分専用秘書」をつくる3つの設定
ユースケースの前に、Claudeを最大限に活かすための重要な設定を知っておきましょう。この3つを設定するかどうかで、使い勝手が大きく変わります。
① CLAUDE.md──Claudeへの「永久引き継ぎ書」
Claudeは基本的に毎回の会話をリセットして始めます。そこで「毎回説明しなくていいように、最初から読んでほしい情報」をテキストファイルに書いておく仕組みが CLAUDE.md です。
新しいスタッフへの引き継ぎ書を一度作れば、毎回ゼロから教えなくていい——そのイメージです。
CLAUDE.mdに書くべき内容の例:
- 会社名・事業内容・ターゲット顧客
- ブランドのトーン(例:「やわらかく、専門用語を使わない口調」)
- よく使うフォーマット(例:「報告書はいつもWord で、見出し2階層」)
- やってほしいこと・やってほしくないことのルール
私が支援の現場でわかったことがあります。CLAUDE.mdを設定した瞬間から、Claudeの回答の質が変わります。「分かっているな!」という感覚——自分のスタイルや事業を理解した上で動いてくれる感覚が生まれます。これが使い続ける原動力になります。
② Skill──「定型業務の手順書」を登録する
Skillは「このタスクはこの手順でやってください」という指示書をあらかじめ登録しておく機能です。例えば「競合分析Skill」を作っておけば、次回から「競合分析して」と言うだけで、同じ品質・同じフォーマットで実行してくれます。
CoworkにはWordや PowerPoint・PDF・Excel分析など標準Skillが内蔵されています。自分の業務に合わせてカスタムSkillを追加することもできます。
③ プロジェクト機能──文脈を共有する「専用フォルダ」
Claude.aiのプロジェクト機能を使うと、関連する会話や資料をひとまとめにできます。ブランドガイドライン・事業戦略書・過去のやりとりをプロジェクトに追加しておくと、Claudeは毎回それを参照した状態で答えてくれます。
- 経営相談プロジェクト:事業戦略書・財務情報を入れておき、毎回の相談の文脈を引き継ぐ
- ブログ企画プロジェクト:ブランドガイドライン・キーワードリストを入れておく
- HP改善プロジェクト:Google Analytics・Search Consoleのデータを定期的に更新する
ユースケース① 経営戦略を考える
どんなときに使うか
- 新サービスを立ち上げる前に事業構想を整理したい
- SWOT分析・3C分析・PEST分析をやってみたい
- 考えをまとめて、きれいな文書に清書したい
Coworkでの実際の流れ
Step 1:プロジェクトに戦略資料を入れる
「経営相談プロジェクト」を作成し、事業計画書・会社概要・財務情報(機密でない範囲)を追加します。これ以降Claudeは毎回「あなたの会社の状況」を把握した状態で相談に応じます。
Step 2:口頭で相談するように話しかける
今、新しいターゲット層として60代の起業家を狙いたいと考えています。
現在の事業との整合性はありますか?
また、このターゲットに向けてどんなサービス展開が考えられますか?
Claudeは事業戦略書を参照しながら、SWOT分析や競合との比較も交えて答えてくれます。
Step 3:Word文書に清書させる
「この内容を事業計画書のフォーマットでWordに清書してください」と依頼すれば、CoworkがDocxファイルを自動生成します。会議資料・提案書・融資申請書への転用もそのままできます。
経営相談の便利さは「24時間・何度でも壁打ちできる」点にあります。人間のコンサルタントに毎回同じ背景を説明する必要がなく、プロジェクト機能で文脈が蓄積されていくので、相談の質が回を重ねるごとに上がっていきます。
ユースケース② マーケティング戦略を考える
どんなときに使うか
- ブランディング・ポジショニングを整理したい
- SNS・ブログのコンテンツ方針を決めたい
- ターゲット顧客のペルソナを詳しく描きたい
Coworkでの実際の流れ
Step 1:ブランドガイドラインをプロジェクトに登録する
ブランドガイドライン(トーン・ターゲット・ブランドコアワードなど)をプロジェクトに追加します。これ以降、Claudeはすべての提案をそのブランドトーンに合わせて出力します。例えば「シンプル・先進的・クリエイティブ」というブランドコアワードを登録しておけば、Claudeが作るメール文案・ブログ記事・SNS投稿はすべてそのトーンに統一されます。
Step 2:ターゲット分析・ペルソナ作成を依頼する
ターゲット顧客「創業前後の個人事業主・40〜50代・ITが苦手」に向けた
マーケティングメッセージを3パターン提案してください。
それぞれのメリット・デメリットも教えてください。
Step 3:コンテンツカレンダーに落とし込む
決定したメッセージ戦略をもとに、「今月のブログ・SNS投稿スケジュールを作って」と依頼すれば、週次のコンテンツカレンダーをExcelまたはMarkdownで生成してくれます。
ブランドガイドラインを登録しておくと、文章のトーンだけでなく「この提案はブランドの方向性と合っていますか?」という確認もできるようになります。ブランドの一貫性を保ちながら、ひとりでマーケティング全体を回せるのが強みです。
ユースケース③ アクセス解析の結果をもとにサイトを改善する
どんなときに使うか
- Google Analytics・Search Consoleのデータを見ても何を改善すべきか分からない
- 内部リンクの構造を見直したい
- メタディスクリプションを改善して検索クリック率を上げたい
Cowork × Codeでの実際の流れ
【Coworkでやること:分析・改善方針の立案】
Google Analytics・Search ConsoleのデータをエクスポートしてCSVなどでCoworkのプロジェクトに追加します。
添付したSearch Consoleデータを分析してください。
・クリック率(CTR)が低いのにインプレッションが多いページはどれか
・その原因として考えられることと、メタディスクリプションの改善案を出してください
・内部リンクを追加すべきページの組み合わせも提案してください
Claudeはデータを読み込み、優先順位付きで改善リストを作成します。どのページから手をつけるべきかが明確になります。
【Codeでやること:実際の修正を自動実行】
改善リストができたら、Claude Codeに「このリストに基づいてメタディスクリプションを修正してください」と指示すれば、実際のファイルを書き換えてくれます。エンジニアに依頼しなくても、指示だけで実装まで完結します。
| 作業 | 担当 |
|---|---|
| データ分析・改善方針決定 | Cowork(経営者が担当) |
| ファイル修正・実装 | Code(またはCodeに詳しい人) |
Search Consoleのデータを見ながら「内部リンクの改善」や「メタディスクリプションの修正」を提案してもらえる点は、SEO会社に依頼していた作業を自分でできるようになる体験です。費用対効果という意味でも大きなメリットがあります。
ユースケース④ 競合分析とキーワード分析からブログ記事を企画する
どんなときに使うか
- 競合サイトと比べて自社に何が足りないか知りたい
- 強みを活かせるブログテーマを探したい
- SEO・AIO(AI検索最適化)を意識した記事企画をしたい
Coworkでの実際の流れ
Step 1:競合サイトの情報を収集する
CoworkのWeb検索機能を使って、競合サイトのコンテンツを調査します。
以下の競合3社のホームページを分析してください。
① [URL] ② [URL] ③ [URL]
・それぞれが力を入れているコンテンツテーマ
・私のサイトと比べて足りていないコンテンツ
・逆に私の強みになりそうなテーマ
をまとめてください
Step 2:ギャップ分析を行う
Claudeは競合の「得意領域」と「手薄な領域」を整理し、あなたの強みと掛け合わせて「勝てるコンテンツ領域」を特定します。競合が扱っていないテーマ、または競合より深く書けるテーマが「コンテンツの勝ち筋」になります。
Step 3:キーワード分析と記事企画に落とし込む
このギャップ分析をもとに、私が書くべきブログ記事を10本企画してください。
・ターゲットキーワード
・想定読者の悩み
・記事の構成案(見出しレベル)
・SEO・AIOの観点からの優先順位
を合わせて出力してください
競合分析では「何が足りないか」だけでなく「自分の強みは何か」という視点が重要です。あなたが歩んできたキャリア・業種経験・地域の知見など、他の誰にも書けない組み合わせが「コンテンツの差別化ポイント」になります。Claudeはそういった強みを言語化する作業も手伝ってくれます。
まとめ:経営者のための実践ステップ
| ユースケース | 主なツール | 得られる成果 |
|---|---|---|
| 経営戦略を考える | Cowork+プロジェクト | 戦略文書の清書・24時間相談できる参謀 |
| マーケティング戦略を考える | Cowork+CLAUDE.md | ブランド一貫性のあるコンテンツ計画 |
| アクセス解析でサイト改善 | Cowork+Code | 改善リスト→実装まで自動 |
| 競合分析→記事企画 | Cowork | 勝てるコンテンツ領域の特定 |
始め方の3ステップ
Step 1:CLAUDE.mdを書く(10分)
会社名・事業内容・ターゲット・ブランドトーンを200〜300字でまとめて登録する。
Step 2:プロジェクトを作る(5分)
「経営相談」「ブログ企画」の2つのプロジェクトを作り、既存の資料(事業計画書・ブランドガイドライン)を追加する。
Step 3:小さいタスクから試す
まずメール文案の作成・会議議事録の要約など、「間違えても損しない」低リスクのタスクから始める。成功体験を積んでから、より重要な戦略業務へと広げていく。
AIを使う経営者と使わない経営者の間に、今まさに差が生まれ始めています。難しく考える必要はありません。まず「1つのタスクをClaudeに任せてみる」——その一歩から始めてみてください。
よくある質問
Q. Claude CoworkとClaude Codeは何が違いますか?
Claude CoworkはデスクトップアプリでIT知識不要の経営者向けツールです。資料作成・分析・戦略相談が中心で、Wordや PowerPointなどのファイルも自動生成できます。Claude Codeはエンジニア向けのCLIツールで、ファイル編集・コード実装・システム操作を担当します。経営者にとっての入口はCoworkで、慣れてきたら技術的な作業をCodeに任せる分業体制が効果的です。
Q. CLAUDE.mdの設定は難しいですか?
まったく難しくありません。会社名・事業内容・ターゲット・ブランドトーンを200〜300字でまとめてテキストファイルに書くだけです。IT知識がなくても10分以内で設定できます。設定した瞬間から、Claudeの回答の質が大きく変わります。
Q. IT苦手でもClaude Coworkを使いこなせますか?
はい、使えます。Claude Coworkはエンジニア知識不要のデスクトップアプリです。この記事で紹介した4つのユースケースは、ITが苦手な経営者の方でも今日から実践できます。まずメール文案の作成など低リスクのタスクから試してみてください。
Q. CoworkとCodeのどちらから始めればいいですか?
まずClaude Coworkから始めることをお勧めします。戦略相談・文書作成・分析など非エンジニアでも扱えるタスクが中心です。慣れてきたらCoworkで方針を作り、Code(またはCodeを扱える専門家)に実装を依頼する分業体制に移行するのが効果的です。