夜9時の事務所。メールの返信、経費の処理、見積書の仕上げ。ふと手を止めて気づく——「今日も、売上につながる仕事を何ひとつしていない」。

そんな夜はありませんか。

こんにちは。中小企業診断士の津田です。

先に結論をお伝えします。それは、あなたの働き方の問題ではありません。仕事の“仕分け”の問題です。そして今は、仕分けた仕事の受け皿としてAIという選択肢があります。うまく任せれば、月20時間は売上をつくる時間に変えられます。

支援現場からの実例

私が支援した従業員50名ほどの製造業の会社では、社長がベテランの部長と一緒に相談に見えました。ご相談は「Webの問い合わせフォームから問い合わせが来ない。どうしたらいいか」。もちろん大事なお困りごとです。ただ、私が気になったのは別のことでした。

——この案件に、社長ご自身がここまで時間を使っていてよいのだろうか。

50名の組織を率いる社長の1時間は、会社で一番高い1時間です。その1時間が、担当者に任せられる仕事に使われている。これは多くの会社で起きていることです。

あなたは「社長」か「事務員」か ― 3つでチェック

次のうち、毎日やっているものはいくつありますか。

2つ以上あてはまるなら、1日2時間、月に40時間以上を事務に使っている可能性が高い。診断士として言い切りますが、それは経営ではなく事務です。社長が事務員化している状態です。

放置するとどうなるか。顧客訪問が減り、商品開発が止まり、採用が後回しになる。つまり、会社の成長が、社長の事務時間に食われていきます

仕事を4つに分けると、任せるべきものが見える

私がご相談の場でよく使う仕分けがあります。仕事を「売上への距離」で4つに分けるだけです。

分類誰がやるか
①売上を生む仕事商談、トップセールス、人脈づくり、商品企画人(社長・営業)
②売上を支える仕事市場調査、提案資料、分析AI+人
③管理の仕事議事録、報告書、経費処理AIが中心
④単純作業データ入力、転記、集計AIが中心
仕事の4分類と時間のシフト 管理業務と単純作業をAIに任せ、空いた時間を売上を生む仕事へ振り向ける図 ① 売上を生む仕事 商談/トップセールス/人脈づくり/商品企画 人がやる ② 売上を支える仕事 市場調査/提案資料/分析 AI+人 ③ 管理の仕事 議事録/報告書/経費処理 AIが中心 ④ 単純作業 データ入力/転記/集計 AIが中心 AIに任せて 空いた時間を ①へ
仕事を「売上への距離」で4つに仕分ける。③④をAIへ、空いた時間を①へ。

従来、③④を手放す方法は「事務員を雇う」「事務代行に出す」でした。ただ、採用は難しく、事務代行も月2.5万円〜の固定費になります。小さな会社には軽くない。

そこで③④の受け皿をAIにして、空いた時間を①に振り向ける。これが今の現実解です。

AIに任せる仕事、社長にしかできない仕事

経営者の仕事で言えば、こう分かれます。

社長にしかできない仕事:経営判断、ビジョンづくり、重要顧客への対応、採用面接

AIに任せられる仕事:会議の要約、数値の分析、情報収集、事業計画のたたき台、補助金情報の整理

私自身の体験もお伝えします。経理の仕訳は、領収書をスキャンしさえすれば、帳簿への入力をかなりの正確さでAIがやってくれるようになりました。セミナー資料の作成、競合分析、データ分析も実用レベルです。

支援の現場でわかったことがあります。AIは「自分の戦略や方針、背景となる知識」を与えるほど的確になります。そしてゴールと評価の基準を決めて渡せば、複数の仕事を同時に任せられる。部下に仕事を任せるのと、考え方は同じです。

最初の一歩はこれだけで構いません。今週の会議をひとつ、AIに議事録にしてもらう。 それで感覚がつかめます。

空いた20時間を“売上をつくる仕事”に変える

ここからが本題です。AIで時間が空くと、多くの会社は「楽になった」で止まります。一番もったいないのはここです。

事務を減らして終わる会社と、空いた時間で売上の仕事を増やす会社。差がつくのは後者に進めるかどうかです。

私が支援する方では、こんな例があります。

月20時間を売上をつくる時間へ 月40時間の事務のうち20時間をAIと分担し、20時間を売上をつくる時間に変える棒グラフ 現在 社長の事務作業 40時間/月 AI活用後 事務(AIと分担)20時間 売上をつくる時間 +20時間 月20時間 × 12ヶ月 = 年240時間ぶんの売上活動

月20時間。1年で240時間です。それだけの時間を顧客訪問、商品開発、紹介・パートナー開拓、採用に使えたら、来期の売上はどう変わるでしょうか。AI活用の目的は事務の削減ではなく、売上に直結する仕事を増やすことです。

費用は?使える支援策は?

生成AIは月数千円から使えます。人をひとり雇うことと比べれば、試すハードルは格段に低い。

本格的にツールを導入する場合は、IT導入補助金が使える可能性があります(公式: https://it-shien.smrj.go.jp/ /2026年6月12日確認)。制度は年度で変わるため、最新の公募要領をご確認いただくか、ご相談ください。

なぜ、一人だと続かないのか

ここまで読んで「やってみよう」と思われた方に、正直なことをお伝えします。一人で始めると、多くの方が2つの壁で止まります。

壁1:何を指示すればいいか分からない。 AIに何ができるかを知らないのだから、当然です。私の助言はシンプルで、「何ができるか、AIに聞いてください」。自社の状況を伝えて「あなたに任せられる仕事は何ですか」と聞けば、AIが答えてくれます。

壁2:空いた時間が、また事務に埋まる。 仕分けをしても、使い道を決めていないと時間は元の場所に戻ります。だから「空けた時間で何をするか」まで先に決めておくことが大切です。

もうひとつ、必ずお伝えしていることがあります。AIの成果物は、あくまで下書きです。 最後にあなたの判断と言葉で付加価値をつけるからこそ、お客様に出せるものになります。実は、雑務を社長が引き受けるのが合理的な場面もあります。だからこそ「どれを残し、どれを任せ、空いた時間を何に使うか」は、会社ごとの個別判断なのです。

まず月20時間、“売上をつくる時間”に変えませんか

仕事の4分類は、今日からあなた一人でも始められます。まずは自分の1週間を仕分けてみてください。

そのうえで、「うちの場合はどれを任せて、空いた時間で何をすべきか」を一緒に決めたい方には、社長向けの1on1(無料相談)をご用意しています。時間を空けるだけでなく、その時間の使い道まで一緒に決めるのが私の役割です。

毎月対応できる社数に限りがありますので、気になった方はお早めにどうぞ。

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