役員会議で意見を聞いても、最後にGoサインを出すのは自分一人。その判断が正しかったのか、誰にも確かめられないまま、次の判断に進む——そんな重さを感じていませんか。
皆さんこんにちは!AIコンサルタント(中小企業診断士)の津田です。
今回は「「社長が一番忙しくて、一番孤独」。経営者の4つの課題とAIで取り戻す「経営者の時間」」で触れた4つの課題のうち、「孤独」の課題を掘り下げます。
支援の現場でわかったことですが、経営者の孤独の本質は「話す相手がいない」ことよりも、「決めた判断を検証してくれる相手がいない」ことにあります。この記事では、なぜ一人で判断を抱え込んでしまうのか、そしてAIを"壁打ち相手"にする方法をお伝えします。
「相談したいのに相談できない」の実態
右腕・No.2人材がいない中小企業の経営者を対象にした調査では、42.6%が「経営の悩みを相談できる人が周りにいない」と回答し、そのうち48.9%(「非常にそう思う」23.3%+「ややそう思う」25.6%)が「相談したい」と考えていることが分かっています(株式会社未来塾「経営の相談に関する実態調査」2022年11月、n=101)。
また、中小企業庁の2020年版小規模企業白書では、雇用のない事業者(一人社長・個人事業主)の約5割(製造業)・約4割(非製造業)が「日常の相談相手」を持たず、その理由の約7割が「適切な相談相手とのつながりがないから」と回答しています。同じ調査では、日常の相談相手を持つ企業ほど、直近5年間の経常利益が「増加」したと回答する割合が高いことも示されています。
相談相手の有無は、気持ちの問題だけでなく、経営の結果にもつながっている可能性がある——これが実態です。
従来の対策が重すぎる理由
経営者コミュニティに参加する、顧問を雇う、コーチングを受ける——どれも有効な手段ですが、「今、この場で誰かに聞いてほしい」というタイミングには合わないことが多いです。人との約束は調整が必要で、深夜や休日に迷いが浮かんでも、すぐには相談できません。
AIを壁打ち相手にする2つの使い方
AIに「答えを決めてもらう」のではなく、「考えを整理する相手」として使うと、一人で抱え込む判断の重さが変わってきます。
使い方①思考を言葉にする:迷っている件について、状況・選択肢・気になっている点をそのままAIに話します。整理して話す必要はありません。
使い方②問いを返してもらう:「この判断について、反対の立場から鋭い質問を3つしてほしい」と伝えます。見落としていた論点に気づけることがあります。
一人で堂々巡りするより、AIに一度言葉にしてぶつけてみることで、判断の輪郭がはっきりしてきます。24時間いつでも、深夜でも休日でも話しかけられるのが、人との相談との一番の違いです。
使える公的支援策
- 商工会議所・商工会の経営相談窓口:経営指導員に無料で経営全般の相談ができる、最も身近な窓口です。AIとの壁打ちで整理した考えを、第三者にぶつけて検証する場として活用できます
※窓口の利用方法・受付時間は商工会議所・商工会によって異なります。最新情報は各窓口の公式サイトでご確認いただくか、当方までご相談ください(2026年7月時点の情報です)。
それでも一人では難しい理由
AIは反論や問いを返してくれますが、「自社の事情」や「業界特有の事情」を汲み取った上での検証には限界があります。もっともらしい答えをそのまま受け取ってしまうと、"本当にうちに合っているか"の確認が甘くなることもあります。
ここは、診断士のような第三者が、AIとの壁打ちで出てきた考えを一緒に検証することで、判断の精度が上がる領域です。
判断の孤独は、一気には解消できません。ですが、今抱えている迷いを1つ、今日AIに話してみることはできます。
「AIと話しても、結局自分に合っているか不安」という方は、無料相談でお話ししましょう。事業構想の壁打ちを重ねながら計画に落とし込みたい方には、私が開発した「MiraizConcept」もご用意しています(miraiz.biz、14日間無料トライアルあり)。
【+α:手動で試す/自動化して仕組み化する】
手動(プロンプト):Claudeに「私は今、〇〇について迷っている。メリット・デメリットを両方の立場から洗い出して、私に鋭い質問を3つしてほしい」と入力する方法。今日から始められます。
自動化(Cowork/Code):判断に必要な売上・原価・現場データを自動的にまとめておき、迷ったときにすぐ材料が揃っている状態をつくる仕組み。判断の頻度が高い社長ほど効果が大きくなります。
まず手動で1回試し、判断の材料集めそのものを毎回自動化できないか検討する、という順番がおすすめです。
よくある質問
Q. 経営者の孤独の本質は何ですか?
「話す相手がいない」ことよりも、「決めた判断を検証してくれる相手がいない」ことにあります。調査では、右腕・No.2人材がいない経営者の42.6%が相談できる人が周りにいないと回答しており、相談相手の有無は経営の結果にもつながっている可能性が示されています。
Q. AIを壁打ち相手にするにはどう使えばいいですか?
答えを決めてもらうのではなく、考えを整理する相手として使います。迷っている件の状況・選択肢・気になっている点をそのまま話し、「この判断について、反対の立場から鋭い質問を3つしてほしい」と伝えることで、見落としていた論点に気づけます。
Q. AIとの壁打ちだけで判断して問題ありませんか?
AIは反論や問いを返してくれますが、自社の事情や業界特有の事情を汲み取った検証には限界があります。商工会議所・商工会の経営相談窓口など、診断士のような第三者にAIとの壁打ちで出てきた考えを検証してもらうことで、判断の精度が上がります。