商談データが「入れているだけ」になっている会社では、せっかく蓄積したデータが経営判断に使われていません。CRMや表計算ソフトのデータをAIに渡して、次の提案を引き出す3ステップを中小企業診断士が解説します。

皆さんこんにちは!AIコンサルタント(中小企業診断士)の津田です。

今回は、日々の注文対応に追われて商談データを見返す時間がない営業担当者・経営者の方に向けて、AIを「分析担当」として活用し、手元のデータから次の一手を見つける方法をお伝えします。

「データは入れている。でも、活用できていない。」

商談の記録をCRMや表計算ソフトに入力しているのに、見返す時間がない。あるいは逆に、日々の対応に追われてデータを残す余裕さえない。どちらの会社も、本来使えるはずの情報が眠ったまま、次の営業につながっていません。

支援現場からの実例:支援先の営業担当者が「商談データはしっかり入力しているのに、どうやって取り出せばいいかわからない」とおっしゃっていました。ツールの使い方が分からないだけで、宝の山が鍵のかかった倉庫に眠っている状態です。一方で、そもそも商談の記録や販売実績データを残す習慣がなく、「分析したくてもデータがない」という会社もあります。どちらも出発点は違いますが、「データが経営の判断に使われていない」という課題は同じです。

「人とのつながりが大事」は正しい。でもデータも要る

「データを分析したって、結局は人間関係から仕事になるんだから意味ない」という声を聞くことがあります。それは半分正しくて、半分見落としがあります。

人との信頼関係が仕事の土台であることは変わりません。ただ、「いつ・誰と・何を話したか」「その顧客の課題は何か」「どの商品に関心があったか」——こうした記録がなければ、AIはもちろん、担当者自身も次の提案を考えるときに頼れるものがありません。データは人を代替するものではなく、人がより的確に動くための地図です。

放置すると、顧客理解は「個人の頭の中」にしか残らない

商談記録がなければ、営業の知見は担当者個人の記憶の中にしかありません。担当者が変われば引き継げない。忙しくなれば思い出せない。蓄積したはずの関係が、データとしてどこにも残っていない。

これからの時代、商談で話した内容のような非構造化データをしっかり残しておくことが、じわじわと経営の差になってきます。AIがそこからインサイトを引き出せるかどうかは、記録があるかどうかにかかっています。

AIを「分析担当」にする3ステップ

難しいシステムは不要です。今あるツールで始められます。

Step 1:まずエクスポートしてみる

CRMや販売管理ソフトに「エクスポート」「CSV出力」ボタンがあれば試してみてください。「どこにあるかわからない」という方は、ツールのヘルプ画面をスクリーンショットしてClaudeに「エクスポートの手順を教えて」と聞くだけで、ほとんどの場合に答えが出てきます。

Step 2:AIで傾向を読む

出力したデータを(顧客名は仮名・社内コードに置き換えて)Claudeに貼り付け、「購買が止まっている顧客と、次のアプローチのタイミングを教えて」と指示する。データがなければ「最近の商談をこの形式でメモして」とClaudeに相談すると、記録のテンプレートを作ってくれます。

Step 3:次の提案をAIに考えてもらう

「この顧客との過去の商談メモをもとに、次に提案できる内容と声のかけ方を教えて」とClaudeに頼む。人とのつながりを活かした提案を、データと組み合わせて考えられるようになります。

商談データの活用状況:眠ったままの状態とAIで活用できる状態の比較 左は商談データが記録されても活用されず眠っている状態。右はデータをAIに渡すことでインサイトが抽出され次の提案につながる状態。 データはある。使うかどうかで、営業の質が変わる データが眠ったまま 商談・購買データを記録 見返す時間がない・方法がわからない 勘と記憶だけで次の営業へ ▲ 機会を見落とし続ける AIに渡す AIで活用する 商談・購買データを記録 AIがパターンとインサイトを抽出 次の提案・アプローチが見えてくる ◎ データが営業の地図になる
「商談データをAIに渡すと、次の一手が見えてくる」

まず「エクスポートボタンがどこにあるか」を確認する

使っているCRMや販売管理ソフトの画面を開いて、「エクスポート」や「CSV出力」のボタンを探してみてください。見つからなければ、画面のスクリーンショットをClaudeに貼り付けて聞けば教えてくれます。データをどう活用するかは、その後で考えれば十分です。

データを活かした営業の仕組みづくりに取り組みたい方は、お気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. CRMを導入していなくても、AIを使ってデータ分析できますか?

できます。ExcelやGoogleスプレッドシートに「顧客名・商品・日付」があれば十分です。CRMがなくてもAIはデータのパターンを読み取ることができます。まず「今日の商談をメモとして書き残す」ことを始めて、それをAIに貼り付けるところからスタートしても問題ありません。

Q. 商談データをAIに渡す際、情報漏えいのリスクはありませんか?

顧客の実名・社名・個人情報は必ず仮名(「A社」「B様」)に置き換えてからAIに渡してください。住所・電話番号・メールアドレスなども同様です。仮名化した状態でも、AIは購買パターンや傾向を十分に分析できます。また、Claude BusinessやChatGPT Teamなどのビジネス向けプランでは入力データが学習に使われない設定になっているため、そちらの利用をお勧めします。

Q. 商談記録がほとんどない場合、どこから始めればいいですか?

まず「今日の商談を一行で記録する」ことから始めてください。「日付・会社名(仮名)・話した内容・次のアクション」の4項目を毎日書き残すだけで、1〜2週間後にはAIに渡せるデータが揃います。記録のテンプレートが必要な方は、Claudeに「商談メモのテンプレートを作って」と頼むと、すぐに実用的なフォーマットを提案してくれます。