顧問税理士はいる。知人経営者ともたまに飲みに行く。それでも、本当に困ったときに「これ、どう思う?」と聞ける相手が、実はいない——そう感じたことはありませんか。
皆さんこんにちは!AIコンサルタント(中小企業診断士)の津田です。
今回は「「社長が一番忙しくて、一番孤独」。経営者の4つの課題とAIで取り戻す「経営者の時間」」で触れた4つの課題のうち、「孤独」の課題を別の角度から掘り下げます。
支援の現場でわかったことですが、経営者の孤独は「相談相手がゼロ」の人だけの話ではありません。相談相手がいても、「税務の話はできるが事業の方向性までは聞けない」「知人経営者には弱みを見せたくない」という"半分の孤独"を抱えている社長は、実は多いです。この記事では、その隙間を埋める選択肢として広がっている「AIコーチ」の使い方をお伝えします。
「相談相手はいるのに、満たされない」の実態
右腕・No.2人材がいない中小企業の経営者を対象にした調査では、経営の相談ができる人が「いる」と答えた経営者は50.5%にのぼります。その内訳は顧問税理士・会計士が72.5%、知人経営者が47.1%、友人が29.4%です(株式会社未来塾「経営の相談に関する実態調査」2022年11月、n=101)。
一見、相談相手はいるように見えます。ところが同じ調査で、相談相手がいる経営者に「相談の悩み」を尋ねると、「想定している返答が得られない」19.6%、「デリケートな内容を相談できない」17.6%、「自分の弱みを見せることに抵抗がある」13.7%という回答が並びました。相談相手に求めることとしては「的確なアドバイスをくれること」54.2%、「ちょっとした相談でも親身になってくれること」37.5%が上位に挙がっています。
相談相手が「いる」ことと、「必要なときに、必要な話ができる」ことは、別問題だということです。
なぜ既存の相談相手では足りないのか
顧問税理士は数字のプロですが、事業の方向性や採用の悩みは専門外です。知人経営者は同業や似た立場だからこそ、弱みや失敗の話がしにくいこともあります。家族や社内の部下には、経営判断の迷いをそのまま見せづらいものです。
そして何より、深夜に浮かんだ迷いや、明日の商談前にふと湧いた不安を、その場ですぐに相談できる相手は多くありません。
AIコーチという新しい選択肢の使い方
AIコーチは、顧問税理士や知人経営者の「代わり」ではありません。彼らがカバーしにくい部分——24時間いつでも話しかけられる、弱みをそのまま出せる、思考をゼロから整理してくれる——を埋める役割です。
使い方①:不安や迷いをそのまま吐き出す
「今、こういうことで迷っている」と、整理せずにそのままAIに話しかけます。誰かに見せる体裁を整える必要がないので、本音が出しやすくなります。
使い方②:「もし〇〇さんだったら」と役割を与える
「厳しいことも遠慮なく言うコーチとして、私の判断に意見してほしい」と役割を指定すると、当たり障りのない返答ではなく、踏み込んだ問いが返ってきやすくなります。
使える公的支援策
商工会議所・商工会の経営相談窓口は、経営指導員に無料で相談できる身近な制度です。AIコーチとの対話で見えてきた迷いを、実際に人に検証してもらう場として組み合わせて使うと効果的です。
※窓口の利用方法・受付時間は商工会議所・商工会によって異なります。最新情報は各窓口の公式サイトでご確認いただくか、当方までご相談ください(2026年7月時点の情報です)。
それでもAIだけでは足りない理由
AIコーチは、いつでも話を聞き、思考を整理する手伝いはできます。しかし「あなたの会社の過去の経緯」や「業界特有の力学」まで踏まえた判断の検証はできません。もっともらしい答えをそのまま信じてしまうと、"自社に本当に合っているか"の確認が甘くなることもあります。
ここは、診断士のような第三者が、AIとの対話で見えてきた考えを一緒に検証することで、判断の精度が上がる領域です。
「相談相手がいない」も「相談相手はいるが物足りない」も、どちらも今は解決の糸口があります。まずは今日、頭の片隅にある小さな迷いを1つ、AIに話しかけてみてください。
「AIに相談してみたが、これでいいのか自分では判断がつかない」という方は、無料相談でお話ししましょう。事業の構想そのものを一緒に整理したい方には、私が開発した「MiraizConcept」もご用意しています(miraiz.biz、14日間無料トライアルあり)。
社長業を、一人で抱え込む必要はありません。
【+α:手動で試す/自動化して仕組み化する】
手動(プロンプト):Claudeに「あなたは私の経営コーチです。共感だけでなく、率直な問いを返してください」と役割を与えたうえで、今の迷いをそのまま話す方法。今日から無料で始められます。
自動化(Cowork/Code):日々の業績データや商談メモを自動で整理しておき、迷いが生まれたときにすぐ相談材料が揃っている状態をつくる仕組み。相談の頻度が高い社長ほど効果が大きくなります。
まずは手動で1回、小さな迷いを話しかけてみて、続けられそうなら自社の情報を事前に伝えておく仕組み化を検討する、という順番がおすすめです。
よくある質問
Q. 経営者の「相談できる人がいない」問題の実態は?
右腕・No.2人材がいない経営者を対象にした調査では、相談相手が「いる」と答えた人は50.5%にのぼるものの、「想定している返答が得られない」19.6%、「デリケートな内容を相談できない」17.6%といった悩みも抱えていることが分かっています。相談相手が「いる」ことと「必要なときに、必要な話ができる」ことは別問題だということです。
Q. AIコーチはどう使えばいいですか?
顧問税理士や知人経営者の代わりではなく、彼らがカバーしにくい部分を埋める役割として使います。整理せずに不安や迷いをそのまま話しかける、「厳しいことも遠慮なく言うコーチ」として役割を与える、という2つの使い方が効果的です。
Q. AIコーチだけで経営判断をしても大丈夫ですか?
AIは自社の過去の経緯や業界特有の力学までは踏まえられないため、もっともらしい答えをそのまま信じると検証が甘くなることがあります。診断士のような第三者が、AIとの対話で見えてきた考えを一緒に検証することをおすすめします。