毎回の見積書作成で社名表記や書式ルールを説明し直す手間は、CLAUDE.mdというファイルに一度書いておくだけでなくなります。Claude Code公式ドキュメントが示す「CLAUDE.md」というこの仕組みを、実際の業務場面で解説していきます。

皆さんこんにちは!AIコンサルタント(中小企業診断士)の津田です。

今回は、Claude活用テクニック大全シリーズ第13回として、前回の「コンテキスト管理」に続く技術「CLAUDE.md」を、実際の業務場面をもとに解説します。

公式ドキュメントを読み解く:これはどんな技術か

出典:Claude Code公式ドキュメント「How Claude remembers your project」(https://code.claude.com/docs/en/memory)。2026年8月時点で内容を確認しました。

公式の定義は次のとおりです。

"CLAUDE.md files are markdown files that give Claude persistent instructions for a project, your personal workflow, or your entire organization. You write these files in plain text; Claude reads them at the start of every session."

つまりCLAUDE.mdとは「あなたが平文(プレーンテキスト)で書いておく指示書」であり、Claudeは会話を始めるたびにこのファイルを自動的に読み込みます。「persistent instructions」=消えずに残り続ける指示という意味で、毎回のチャットで説明し直す必要がなくなります。

似て非なる仕組みも公式は区別しています。

"CLAUDE.md files: instructions you write to give Claude persistent context... Auto memory: notes Claude writes itself based on your corrections and preferences."

CLAUDE.mdは「あなたが書く」指示、オートメモリは「Claude自身が書く」学習内容です。前者は人が用意する前提情報、後者はClaudeが自律的に書き留める記録という違いがあります(オートメモリは今回は扱いません)。

CLAUDE.mdは置き場所によって階層があり、組織全体・自分の全プロジェクト・チームで共有するプロジェクト単位・自分だけのプロジェクト内限定、の順で読み込まれます。中小企業の実務では「プロジェクト単位のCLAUDE.md」から始めれば十分です。

どんな内容を書けばいいのか。公式ドキュメントは「Claude makes the same mistake a second time(同じ間違いを2度させた)」「前回も打ち込んだ同じ訂正を今回も打ち込んでいる」といった場面を挙げ、一度伝えたのに次も伝え直しているものはCLAUDE.mdに書くべきだ、という基準を示しています。一度きりの指示はAgent Skills(第14回で解説予定)向きです。

書き方のコツも明記があります。「適切に整形して」より「インデントは半角スペース2つ」の方が確実に実行されます。実務なら「丁寧に書いて」でなく「文体はです・ます調で。体言止めは使わない」と書きます。

CLAUDE.mdの有無で依頼のたびの手間が変わる仕組み CLAUDE.mdなしでは依頼のたびに同じ前提を説明し直す一方、CLAUDE.mdありでは最初に一度書いておくだけで以降の依頼が短くて済む様子を対比する図。 CLAUDE.mdなし 依頼1:社名・税別表記・文体を毎回説明 (1〜2分) 依頼2:また同じ説明を打ち込み直す (書き忘れると出力がぶれる) 依頼3:さらにまた同じ説明を… (月20件で約40分の手間) CLAUDE.mdあり 最初に一度だけ CLAUDE.md に 社名・書式ルールを書いておく 依頼1:短い依頼文だけでOK(自動で読込) 依頼2:短い依頼文だけでOK(自動で読込) 依頼3:書式のぶれもなくなる
図:CLAUDE.mdがなければ依頼のたびに同じ前提を説明し直しますが、最初に一度書いておけば以降の依頼は短い文だけで済みます。

このテクニックは何を解決するのか

CLAUDE.mdを使わない場合、毎回同じ前提を打ち込む手間がなくならないだけでなく、忙しいときに前提を書き忘れて出力がぶれる、という問題が起きます。CLAUDE.mdに前提を一度書いておけば、Claudeは会話のたびに自動でそれを読み込むため、毎回の依頼文を短くでき、書式や表記のばらつきも抑えられます。

ここで「同じ指示を毎回コピー&ペーストすればいいのでは」という疑問が浮かびますが、CLAUDE.mdの固有の価値は次の2点です。①貼り付け忘れが起きない(自動で読み込まれる)。②Cowork・Claude Codeではプロジェクトフォルダに置くだけで、同じフォルダを使う他の担当者にも前提が共有される。効果が大きいのは見積書・提案文書など、同じ書式を繰り返し使う定型業務で、一度きりの相談ごとには不要です。

実務でこう使う:具体例で見る

こんな場面を想定します

見積書のたたき台作成や提案文のレビューをClaudeに繰り返し依頼している場面を想定します。社名表記や書式ルールを毎回説明し直しているなら、CLAUDE.mdの出番です。

このテクニックをこう使う(ここから先はCowork〈またはClaude Code〉での手順です。claude.aiのチャット画面には「CLAUDE.md」という仕組み自体がなく、代わりにアカウント設定の「Instructions for Claude」やProjectのカスタム指示が同じ役割を果たします)

【準備】最初に一度だけ
Coworkのプロジェクトフォルダ直下に、テキストエディタでCLAUDE.mdという名前のファイル(拡張子は.md)を作成します。例えば次のように書いておきます。

# 会社情報 正式社名:◯◯商事株式会社(省略しない)
# 書式ルール 見積書は税別金額を先に書く/文体はです・ます調。体言止めは使わない

【依頼】毎回
準備ができていれば、依頼文は短くて済みます。

A社向けの見積書のたたき台を作ってください。品目は防犯カメラ3台・設置工事費。CLAUDE.mdの書式ルールに沿って、Wordで出力してください。

社名や書式を毎回書く必要がなくなり、前提を書き忘れて出力がぶれる心配も減ります。同じProject内で作業するコンテキスト管理の要約引き継ぎと組み合わせれば、長い会話でも前提がぶれにくくなります。

今日から試せること

今日、CoworkのプロジェクトフォルダにCLAUDE.mdを1つ作り、いつも指示のたびに書き直している「社名の正式表記」だけでも書いておきましょう。次の依頼から、その説明が省けます。自社のどこにどんなルールを書けばいいか迷ったら、AI活用伴走支援の無料相談でご相談いただけます。

前回の「コンテキスト管理」から続けて読むと、会話が長くなったときの品質低下を防ぐ技術と、毎回の前提を書いておく技術の両方を押さえられます。連載の最初から読みたい方は「明確に伝える」・「理由を添える」・「見本を示す」・「長い資料の渡し方」・「出力の形を指定する」・「役割を与える」・「プロンプトチェイニング」・「自己チェックさせる」・「評価者・最適化ループ」・「ルーティング」・「考えさせる・急がせる」もどうぞ。

※本記事はAnthropic公式ドキュメントを著者が読み解き、中小企業向けに翻訳・考察したものです。
※本記事はAIを活用して作成しています。