「これは自分で調べるしかない」「これは自分で計算するしかない」と思い込んでいる作業ほど、実はClaudeに任せられます。毎月の資料作成で、こんな場面はありませんか。まず今月使える補助金情報を確認しようと、経営者自身が検索エンジンで3つの制度のページを開き、金額や締切を1つずつ確認する。ここで15分ほどかかります。次にPOSレジからダウンロードした先月の売上データ(数百行のCSV)をExcelで開き、商品別・曜日別に集計してグラフを作る。単純作業なのに、集計とグラフ調整だけで1時間近く費やしてしまいます。この「最新情報を調べる」「データを計算・集計する」という2つの作業には、実はClaudeに任せられる代表的な機能があります。
皆さんこんにちは!AIコンサルタント(中小企業診断士)の津田です。
今回は、Claude活用テクニック大全シリーズ第17回として、前回の「Tool Use」に続く技術「Web検索ツール」「コード実行ツール」を、実際の業務場面をもとに解説します。
公式ドキュメントを読み解く:これはどんな技術か
出典:Claude Platform Docs「Web search tool」(https://platform.claude.com/docs/en/agents-and-tools/tool-use/web-search-tool)・「Code execution tool」(https://platform.claude.com/docs/en/agents-and-tools/tool-use/code-execution-tool)。2026年8月時点で内容を確認しました。
Claude Platform Docsには、Claudeが直接使える「道具」として、Web検索ツールとコード実行ツールが用意されています。第16回のTool Use(ツール利用。Claudeが外部の機能を呼び出す仕組み全体)が「手足を持たせる」仕組み全体の話だったのに対し、今回の2つはAnthropicが用意した具体的な道具です(仕組み=パターンと、道具=機能の違い)。
まずWeb検索ツールです。公式は次のように定義しています。
"The web search tool gives Claude direct access to real-time web content, allowing it to answer questions with up-to-date information beyond its knowledge cutoff. The response includes citations for sources drawn from search results."
knowledge cutoffは「学習データの締め切り」、citationsは「出典の引用」という意味です。つまり、Claude自身が持つ知識だけでなく、今この瞬間のウェブ上の情報を調べたうえで、どこから得た情報かを明記して答えてくれる、ということです。
いつ検索するかはClaude自身が判断します。時事情報や価格・統計など変化する内容なら検索し、確立した事実や計算・創作のように変化しない内容なら検索せず直接答える、というのが公式の基準です。
次にコード実行ツールです。公式の説明は次のとおりです。
"Claude can analyze data, create visualizations, perform complex calculations, run system commands, create and edit files, and process uploaded files directly within the API conversation."
Claudeは、データの分析、グラフの作成、複雑な計算の実行、システムコマンドの実行、ファイルの作成・編集、アップロードされたファイルの処理を、会話の中で直接行える、という意味です。実体は、インターネットに接続されていない隔離された安全な作業スペース(サンドボックス。外部と切り離された仮想的な作業部屋のこと)の中で、実際にPythonなどのコードを書いて実行する仕組みです。頭の中で計算するのではなく、本物のプログラムを走らせて答えを出すため、桁数の多い計算や大量データの集計でも正確です。
コードを実行するかどうかも同様で、桁数の多い計算・データ分析やファイル処理・非自明なアルゴリズム、または「実行して」という明示的な依頼のときに実行し、単純な暗算や事実問答では実行しない、というのが公式の基準です。
このテクニックは何を解決するのか
この2つを使わないと何が起きるでしょうか。Web検索なしでは、Claudeは学習データの範囲でしか答えられず、補助金の締切や最新の金額を「それらしく」答えてしまい、実際とずれるおそれがあります。コード実行なしでは、Claudeは文章として計算過程を書くだけで、実際にプログラムを走らせて検証したわけではないため、桁数の多い集計でミスが起きても気づけません。逆にこの2つを使うと、最新のウェブ情報を出典つきで確認したうえで答え、集計やグラフ作成は実際に動くコードの実行結果として返ってきます。効果が出やすいのは、最新の制度・価格情報を扱う業務や、CSV・Excelなど数百行規模のデータ集計を毎月繰り返している業務です。
実務でこう使う:具体例で見る
こんな場面を想定します
補助金情報の確認と、先月の売上データの集計を、どちらもClaudeに任せる場面を想定します。
このテクニックをこう使う
【準備】最初に一度だけ
チャット版(claude.ai)では、入力欄下のツール選択メニューから「Web search」をオンにしておきます(Cowork・Claude Codeでは標準で使えます)。データ集計を頼む場合は、対象のCSVやExcelファイルを会話にアップロードするか、作業フォルダに置いておきます。
【依頼】毎回
「今月使える小規模事業者向け補助金を3つ検索して、対象者・金額・締切を表にまとめてください。出典のURLも添えてください」 「アップロードした先月の売上データ(CSV)を使って、商品カテゴリ別・曜日別の売上合計を計算し、棒グラフにしてExcelファイルとして保存してください」
どちらの依頼も、調べるか・計算するかの判断そのものはClaudeが行います。人が指定するのは「何を」「どこまで」やってほしいかだけです。
今日から試せること
いつも自分で検索して確認している情報を1つ選び、「検索して出典つきで教えて」とClaudeに頼んでみてください。自社の業務に組み込む設計は、AI活用伴走支援でもご相談いただけます。
前回の「Tool Use」から続けて読むと、Claudeに手足を持たせる仕組み全体と、Anthropicが用意した具体的な道具の両方を押さえられます。連載の最初から読みたい方は「明確に伝える」・「理由を添える」・「見本を示す」・「長い資料の渡し方」・「出力の形を指定する」・「役割を与える」・「プロンプトチェイニング」・「自己チェックさせる」・「評価者・最適化ループ」・「ルーティング」・「考えさせる・急がせる」・「コンテキスト管理」・「CLAUDE.md」・「Agent Skills」・「メモリ」・「ツール利用」もどうぞ。
※本記事はAnthropic公式ドキュメントを著者が読み解き、中小企業向けに翻訳・考察したものです。
※本記事はAIを活用して作成しています。