新規の問い合わせが届いたとき、こんな場面はありませんか。まず相手の会社名でメールの履歴を検索し、次にSlackで過去のやり取りがなかったか確認し、さらに会計ソフトを開いて取引実績を調べ、最後にGoogleカレンダーで来週の空いている時間を確認する。4つの異なるシステムに別々にログインして探し回るだけで、15分ほどかかってしまいます。しかもこの情報をまとめてClaudeに相談しようとすると、4つの画面からコピー&ペーストする手間も発生します。この「複数のシステムを横断して情報を集め、動かす」という作業を、Claude自身に任せられる仕組みがMCPです。

皆さんこんにちは!AIコンサルタント(中小企業診断士)の津田です。

今回は、Claude活用テクニック大全シリーズ第18回として、Anthropicの各製品と社内外のシステムをつなぐ共通規格「MCP(Model Context Protocol)」を、実際の業務場面をもとに解説します。

公式ドキュメントを読み解く:これはどんな技術か

出典:Model Context Protocol公式サイト「What is the Model Context Protocol (MCP)?」(https://docs.claude.com/en/docs/mcp)・Claude Platform Docs「MCP connector」(https://platform.claude.com/docs/en/agents-and-tools/mcp-connector

第16回のTool Use(ツール利用。Claudeが外部の機能を呼び出す仕組み全体というパターン)に対し、MCP(Model Context Protocol)は、外部システムとつながるための「共通規格」という機能です。公式の定義は次のとおりです。

"MCP (Model Context Protocol) is an open-source standard for connecting AI applications to external systems."

MCPは、AIアプリケーションを外部システムに接続するためのオープンソースの標準規格である、という意味です。さらに公式はこう例えます。

"Think of MCP like a USB-C port for AI applications. Just as USB-C provides a standardized way to connect electronic devices, MCP provides a standardized way to connect AI applications to external systems."

MCPは、AIアプリケーションにとってのUSB-Cポートのようなものだと考えてください。USB-Cが電子機器をつなぐ標準的な差込口であるのと同じように、MCPはAIアプリケーションを外部システムにつなぐ標準的な差込口です、という意味です。会計ソフト・Slack・カレンダーなど作っている会社がバラバラでも、この共通の差込口〈規格〉に対応していれば同じやり方でつながれます。差込口の先にある個別システム側の窓口を「MCPサーバー」と呼びます。第17回のWeb検索・コード実行はAnthropic自身が用意した道具でしたが、MCPは誰でも作れる規格で、会計ソフトのベンダーや自社のエンジニアが用意した、自社専用のシステムともつなげられます。

いつそのシステムを呼び出すかはClaude自身が判断します。公式は次のように説明しています。

"Once an MCP server is connected, Claude calls its tools when the user's request maps to a tool's described capability, either explicitly ("search Jira for open bugs") or implicitly ("what's blocking the release?" with a Jira server attached)."

MCPサーバーがつながったあと、Claudeは依頼がツールの機能に当てはまるときにツールを呼び出す。「Jiraで未解決のバグを探して」という明示的な依頼のときも、「リリースの障害は何?」という暗黙の依頼のときも同様である、という意味です。人が行うのは接続の設定だけで、呼び出すかどうかの判断はClaude自身が行います(Claude Code Docs「Connect to MCP servers」も参照)。

MCPで複数システムを横断して回答する流れ 経営者からの依頼を受けたClaudeが、該当するMCPサーバーを自ら判断し、Slack・会計ソフト・カレンダーの3つのシステムを横断してアクセスしたうえで、実績を踏まえた横断的な回答・提案を返す流れを示す図。 経営者からの依頼 Claudeが該当するMCPサーバーを判断 Slack 問い合わせ履歴 会計ソフト 取引実績 カレンダー 空き時間 横断的な回答・提案 (実績を踏まえた打ち合わせ枠の提案 等)
図:経営者からの依頼を受けたClaudeが該当するMCPサーバーを自ら判断し、Slack・会計ソフト・カレンダーを横断してアクセスしたうえで、実績を踏まえた横断的な回答・提案を返します。

このテクニックは何を解決するのか

MCPを使わないと、ClaudeはMCPサーバーとつながっていない状態では、目の前のチャット画面に人が貼り付けた情報しか扱えません。会計ソフトの入金状況もSlackの過去のやり取りも、毎回人が画面を開いて調べ、コピー&ペーストして伝える必要があります。逆にMCPで各システムとつながっていれば、Claudeは依頼に応じて必要なシステムへ直接アクセスし、最新の情報を取りに行ったり、その場でカレンダーに予定を登録したりできます。「調べて教えて」で終わらず「調べて、その場で動かす」ところまで任せられるのが、MCPの固有の価値です。効果が出やすいのは、会計ソフト・Slack・CRM・カレンダーなど複数のシステムを併用し、横断して確認する作業が日常的に発生している会社です。1つのシステムしか使っていない会社では効果は限定的です。

実務でこう使う:具体例で見る

こんな場面を想定します

新規の問い合わせが届いたとき、相手との過去のやり取り・取引実績・自社の空き時間を横断して確認する場面を想定します。

このテクニックをこう使う

【準備】最初に一度だけ
claude.ai・Coworkでは、設定の「コネクタ」画面(claude.ai/customize/connectors)から、Slack・Gmail・カレンダー・会計系サービスなど使いたいMCPサーバーを接続します(サービスによっては担当者自身のログイン〈OAuth認証〉が必要)。Claude Codeではclaude mcp addコマンドで登録します。

【依頼】毎回

「株式会社〇〇から新しい問い合わせが来ました。過去のメールとSlackのやり取り、会計ソフトでの取引実績を確認し、来週の空いている打ち合わせ枠を3つ、理由つきで提案してください」

どのツールを呼び出すかの判断はClaudeが行います。人が指定するのは、どのシステムとつなぐか(準備)と、何を確認してほしいか(依頼)だけです。

今日から試せること

よく使うシステムを1つ選び、「コネクタ」設定を開いて接続を試してみてください。自社専用システムとの接続設計は、伴走支援でもご相談いただけます。

前回の「Web検索・コード実行」から続けて読むと、Anthropicが用意した具体的な道具と、外部システムとつながる共通規格の両方を押さえられます。連載の最初から読みたい方は「明確に伝える」・「理由を添える」・「見本を示す」・「長い資料の渡し方」・「出力の形を指定する」・「役割を与える」・「プロンプトチェイニング」・「自己チェックさせる」・「評価者・最適化ループ」・「ルーティング」・「考えさせる・急がせる」・「コンテキスト管理」・「CLAUDE.md」・「Agent Skills」・「メモリ」・「ツール利用」・「Web検索・コード実行」もどうぞ。

※本記事はAnthropic公式ドキュメントを著者が読み解き、中小企業向けに翻訳・考察したものです。
※本記事はAIを活用して作成しています。